上田市の短大で数年前から宗教についてのお話をさせていただいています。
お釈迦さまのお話をしたり、お経の言葉を取り上げて考えてもらったりします。
今日は、キリスト教について、少しお話をしました。
といっても、神父さんのようにしっかりと聖書のお話が出来るわけではありません。
だから、一般によく知られているイエスの言葉を取り上げて、一緒に考えます。
「人はパンのみによって生きるにあらず」
「あなたの敵を愛しなさい」
そんな言葉です。
「敵を愛するなんて、凄い!普通じゃない」と、学生さんが言います。
確かに、本当に凄い。普通じゃない。
しかしふと思い当たる。観音経にも同じようなことが書いてある。
「恐ろしい戦いの中にあっても 観音の力を念ずれば 諸々の怨みは消えていく」
それは、敵対関係、という関係性、敵か味方か、あるいは勝つか負けるか、あるいは奪い奪われ。
そのような敵対的な自他の関係性を、イエスは愛によって、観音さまは「慈悲」によって変えてしまう。
興味深いのは、イエス=キリストが愛を説き、観音さまが信仰されるようになった時期だ。
いずれも2000年前頃という説がある。
洋の東西で、同時期に、人間の関係性を愛・慈悲によって変えようとする宗教運動があったということ。
2000年前、何かがシンクロして、人類の中に意識化された。
と、そんなようなことを、学生さんとお話しながら、思った。