梅雨、空梅雨ですが、今は梅雨。 しとしとと、雨が降り、アジサイの花が咲いて、そこにカタツムリ。 そんな風情を楽しむ今日この頃。 天から落ちてくる無数の、それこそ無量無数の雨粒。雨粒。雨粒たち。 そんな一滴も、大地に落ちれば、流れ集まります。 大地にしみこんだり木の根に吸われたり。 根に吸われたら木の中を通って、また葉から大気へ。 あるものたちは小川へ、そして大きな川へと集ってやがて再び大海へ向かいます。 そしてやがて太陽の光を浴びる大海で、ゆったりと気体となって大空へ。 冷たい風が吹いてくれば、雲に生まれて、またあるものは雨に。 雨、雨、雨となった無量無数の雫となって、またここに。 この一滴が、そんな旅を続けているのを、じっと思い巡らしてみる。 そして、その一滴がこんなふうに、葉にとどまるのをじっと見ている。 小さな、美しい一滴の雨露。 じっと見て、その帰し方に思いをはせ、その行き方に思いをはせる。 その滴には、世界が映っている。 その滴に、この世が映っている。 すると、その映っている世界の奥にはまたまた梅雨の雨が降る。 その中に、無量無数の雨が降る。 その一滴の滴に、思いをはせる。 その滴に、また世界が映っている。 その奥に、また無量無数の雨が降る。 その一滴には、また世界が映っている。 私たちの人生が、そのどこかに映っている。 梅雨の日は、雨粒に学ぶ。