住職日記

雨の日は雨に学ぶ

いよいよ、境内の紫陽花の皆さんが咲き揃ってまいりました。

このあたりも梅雨入りして、今日も朝から雨。

紫陽花の花もしっとり。

雨の雫を見ていると、誰の言葉か、雨の日は雨に学ぶ、という言葉を思い出します。

空から降り注ぐ無数の雨。

その一雫の、遥かな来し方に思いを凝らしてみる。

紫陽花の花にポトンと落ちる。

どこを旅してきたのか、この一滴が見てきた全てを紫陽花が受け止めている。

すると間もなく、雫は流れ溢れていく。

その一雫の、遥かな行く末に、思いを凝らしてみる。

たまには、一匹のでんでん虫になって、雨に濡れそぼって紫陽花のそばに佇んでみる。

じっと、雨粒を見つめてみる。

雨粒になってみる。

遥かな来し方を思い、遥かな行く末を思う。

その涯てと始まりの今を見つめる。

雨が語りかけてくる。

雨の日は、雨に学ぶ。

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