長谷寺のお彼岸の日の出。
ハセという場所は、古代の人が特別な思いを持って大切にしてきました。
再生の地、よみがえりの地、生まれ清まりの地。
そんなハセの大きな特色のひとつが、春と秋の彼岸の日の出です。
観音堂の真正面、真東にそびえる、根子岳と四阿山。
その美しい双峰(ツインピーク)の間から、朝の太陽が現れます。
それは再生の光でもあり、季節の節目を告げる光でもあり、古代の人々にとっては、その光を待ち、その光を拝し、その光を浴びることは、この世界の中で生きる命を強く感じる祈りだったのではないでしょうか。
「いのり」にはいろいろな意味が込められているそうですが、私は「イ=命」と「ノリ=法(真理)・理(ことわり)」をひとつに感じていこうとする、私たち人のいとなみとして受け止めるのが好きです。
私たちの命と、この宇宙の摂理という大きな命とが、ひとつになる。
古代の人たちは、それを感じようとする「場所」を大切にし、天地と、森羅万象との長く深い語らいと観察を通じて、各地にその「場」を見出してきたものと思います。
現代の私たちは、この世界と自分の命とのつながりを感じ取る「場」を持っているでしょうか。
ハセ、というのは、そのような「場」なのです。
そこにカミが現れ、観世音菩薩がまつられ、慈悲をいただく。
なむ