檀信徒のみなさま、新年明けましておめでとうございます。゜旧年中は何かとお世話になりました。本年も何卒よろしくお願いいたします。
昨年は新年早々の能登半島地震で、国中が驚きと悲しみの中で一年が始まりました。
被災地の一日も早い復興をお祈りいたしますとともに、この一年は災害のない、穏やかな日々でありますように、ご本尊十一面観世音菩薩さまに心から祈念し、檀信徒の皆さまのご多幸を日々御祈祷申し上げます。
令和七年は巳年。へび年は古来大きな変革の年であったり、新しい流れが起こる年であるとされます。
また成長の年とも言われます。それはへびという生き物の持つ強い生命力や、脱皮を繰り返す特徴から、再生のイメージが根底にあるからなのでしょう。
長谷寺の山には、古来大蛇の伝説があり、今なおその大蛇の子孫たちがこの山に住んでおり、観音さまの特別なお許しをいただいたへびが石垣に住んで観音さまにお仕えしていると伝えられています。
庭に残る「蛇杉」は、昭和の初めの台風で倒れてしまいましたが、その際には暴風と雷鳴の中、大蛇が天に昇るのを見たという人がいたり、倒れた大杉の根元には大蛇の下顎が残され、今に伝えられています。
ハセという地は、太古からの再生信仰の聖地と言われます。
古代人は、魂の再生、生まれ清まりを願って、長谷詣でをしました。そのような再生を祈る地に、へびの伝説が伝えられるのは偶然とは思えません。きっと長谷が再生の霊地であることをへび伝説は語っているのです。私たちの祖先も、再生のシンボルであるへびを観音さまとともに大切にしてきたのでしょう。
そんな長谷寺にお参りすると「不思議と心が清々しくなる」「ほっとする」「しばられていたものからほどかれたように楽になる」というお話しを聞きます。
きっとお祈りする人の心と、長谷の地の霊気と、観音さまのお力とが感応するとき、そのようなご利益を授かるのでしょう。
今年も、日々に観音さまにお参りし、安らぎと生きる力を授かりましょう。
住職 合掌