毎年、秋のお彼岸の頃に咲く真っ赤な花。
彼岸花、別名、曼殊沙華。
長谷寺では今、満開を迎えています。
9月の初め頃のこと、境内で花の手入れをしていると、カメラを抱えた男性がいらっしゃって、「彼岸花はまだですか?写真を撮りに来たんですけど」と。
私も楽しみに待っているのですが、その時はまだ1本も見当たりませんでした。
「もう少しですかね~。毎年9月の半ば頃ですね」とお話ししました。
それから1週間ほどすると・・・
わ~、出てきました!
まだ緑一色のつんつんした彼岸花が、あちこちからにょきにょきと!
出るとなったら、突然にょきっと出てきます。
今年は少し早めでした。
ムーミンのニョロニョロの群れが、いっせいにどこかを目指していくようです。
そして9月11日。
ニョロニョロが小さな赤い冠をかぶったように、長い茎の先に赤いつぼみがつきました。
その2日後には、こんな感じに。
もう、ニョロニョロではなく、確かに彼岸花です。そして9月16日・・・
にょきにょき出てきてから1週間ほどで、ほぼ満開を迎えました! 長谷寺の彼岸花は、石段添いの山の斜面に群生して咲きますので、下から見上げるととても綺麗です。よく晴れた先日は、たくさんのカメラマンの方たちが彼岸花を撮りにいらしていましたよ。若い男性が、「すっげ~!」と歓声をあげながら、地面に寝ころぶようにして写真を撮っておられました。
金色に輝く秋の陽の中、道案内をする灯火のような赤い彼岸花を見ていると、ふと、この世ではない何処かに迷い込んだような不思議な気持ちになります。あの世(彼岸ひがん)とこの世(此岸しがん)が最も近くなる、と言われるお彼岸。この幻想的な雰囲気の花がちょうどお彼岸の頃に咲くというのは、何か不思議なつながりがあるような気がしますね。