山から紅葉が少しずつ里に降りてきて、お寺の木々の葉も赤や黄色に色づきはじめました。紅葉には、日照時間や降雨量、気温の寒暖差など様々な条件が影響するそうですが、さて今年の紅葉はどうでしょうか。
昨年の紅葉は素晴らしくみごとで、お寺の庫裏の白壁に紅が照り映え、「壁、ピンクに塗り替えた?」と二度見するほどでしたが、今年は今のところ茶色っぽくなってきているような…。いえいえ、例年見ごろは11月半ば。もう少し期待しつつ様子を見ましょう。
18日には、10月の縁日がおこなわれました。
爽やかな秋空のもと、30人ほどの方がお参りにいらして下さいました。
10月のえんにちカフェは、アップルティーにしました。
りんごというと思い出すのは、長野にお嫁に来た頃のこと。愛知と京都に暮らしている頃は、日常の景色の中に果樹がなっているのをほとんど見たことがなかったのです。秋になって見渡せば、緑の木々にまるで飾り物のように鮮やかな真っ赤なりんごがぎっしり。わあ~りんご!赤いりんごがなっている!とそれはそれは大感動したのです。
「りんごロード」と名づけた近くの道を何度も通っては、りんごだ!すご~い!と大興奮。秋になるといつも、あの頃のことをあたたかい気持ちで思い出すのです。あんな風に、ひとつひとつ驚いたり感動したりしながら、この土地になじんできたなあ、と。
実家の両親は、スーパーで売っているりんごは美味しくない、とわざわざ青森から毎年りんごを取り寄せていたほどりんごが好きだったのに、りんごが木になっている様は見たことがなく、長野に遊びに来た時、私と全く同じように大興奮でした。
父などは感動のあまり車を脇にとめて見ていたら、「珍しいんか。少し持ってくかい」と畑の方にリンゴを数個もらったと大喜びで戻ってきました。それ以来、「りんごは長野がいちばん!」になりました。どこの畑の方だったのでしょう。父はもう亡くなってしまいましたが、その節は真っ赤なリンゴを本当にありがとうございました。
知り合いもなく、長野のことも何も知らなかった、嫁いだばかりの頃の懐かしい思い出です。そんな思いも込めての、アップルティーです。
さて、朝夕すっかり寒くなってきました。
そろそろ冬支度もしなければなりませんね。