11月もなかばになりました。
晩秋の光をあびて、お寺の木々が今を盛りと赤・黄・橙に輝いています。
大玄関前のもみじは、中から見るとまるで額に入った大きな絵のように見えるのです。こんな感じに。
さらに紅葉の盛りの頃には、白い壁に赤が照り映えて壁自体がピンク色に明るく発光しているように見えるのです。毎年この1枚の「絵」を見るのを、秋の楽しみにしています。実は、「床紅葉」も見られるのですよ。
お寺の境内は、柔らかな秋の光と色につつまれています。
秋は許し。毎年そう思います。
何もかも動き出す春、ぎらぎら活動する夏を経て、もういいよ、できたこともできなかったことも、もうそれでいいんだよ、よく頑張ったね、と静かにおさめていくような秋。
1日を季節にたとえると、秋は夕方でしょうか。頑張った1日を終え、荷物をおろし、いろんなことがあったけれど今日もいい日だった、そんなふうに思いながらホッと力を抜くひととき。やがて冬(夜)の眠りにつく前の、そんな柔らかなひとときが秋。
できたこともできなかったことも、みんなそっと許されていく気がします。
しかし、この先には長谷寺の1年で一番忙しいお正月行事がひかえているのであって、そのことに寺嫁がハッと気づいて飛び上がるのは、もうしばらく後なのでした・・・。