さて12月29日からは、泊まり以外の、通いでお正月行事を手伝って下さる方たちが続々と来られます。
住職と一緒に観音堂の準備と仕上げをする方たち。
総代さん方もありがたいことに、寒い中、境内の準備をして下さいます。
朝早くから毎日のように、お寺の雪かきをして下さった方もありました。
丁寧に御札のお名前を書く書家の方たち。
確認しながら数百体の御札を作っていく方たち。
御守をきれいに並べて配置する方たち。
パソコンでデータ入力をする方など。
元旦からは、たくさんのお坊さんや、台所を受け持って下さる方も来られます。
息子は観音堂で、娘は御札受付の中で、小さい時からそれぞれ大切な仕事を受け持ってきました。忙しい中でも、息子や娘が一度も嫌だと言わず、一生懸命お寺の仕事を手伝ってくれたことは、本当にありがたいことでした。
県外の大学に行っている息子は、昨年のお正月はコロナのため帰省をやめてもらったのですが、「生まれて初めて世間のお正月を見た!」と驚いていました。
こうして手伝って下さる方全員、初めてお会いする方も、毎年来て下さる方も、家族同然になっていくのです。
年末の、午前と午後のお茶休憩の時には、年齢も何も関係なく楽しく話がはずみ、全員がひとつの大家族となって、皆の力でお正月の準備が整っていきます。
私は、12月30日に食品の最終買い出し。
食材を山のように抱えて帰ると、日付を書いた日にち別の袋に仕分けしていきます。例えば30日がお鍋の予定なら、お鍋に使う食材を全て「12月30日 白菜鍋」と書いた袋にまとめてしまうのです。このひと手間で、今日使おうと思っていた材料がない、とあわてて探すことなく、手早く食事の支度をすることができるのです。
これ以降は、何が足りなくなってももう買いに行くことはできません。
そしていよいよ大晦日の夜、キーンと冷え込んだ境内に出て行きます。
お正月行事の始まりです。
誰も体調を崩しませんように。全て無事に終わりますように。
やがてゴーンと除夜の鐘が鳴り始め、1年が終わる感慨と、新しい年を迎える喜びがわいてきます。
お参りの方々と「明けましておめでとうございます」のご挨拶を交わし、夜中0時からの元朝護摩が厳かに始まるのです(その三に続く)。